沖縄料理の名前も全国に広がりつつありますね。ゴーヤーチャンプルーはすっかり有名になり、沖縄県外でも食べられるようになりました。沖縄料理には「チャンプルー」や「イリチー」など独特の言葉があります。どのような違いがあるのか見て行きましょう!
チャンプルーには定義があった!
チャンプルーとは「混ぜ合わせる」という意味です。マレー語やインドネシア語の「チャンプール」が語源と言われています。
料理用語での「チャンプルー」は「島豆腐を炒めた料理」という定義があります。島豆腐を使っていない場合は、「イリチー」(炒り付け)と呼ぶのが本来です。
そうなると、島豆腐は県外では手に入りにくいので、普通の木綿豆腐などで代用しますね。それはホントは「チャンプルー」ではないってことでしょうか?
いえいえ、決めつけないのが沖縄の良いところですから、沖縄県内でも島豆腐が入っていないのに、チャンプルーって呼んでいるものもたくさんあります。
チャンプルーは種類も豊富
チャンプルーは「ゴーヤー」だけとも決まっていません。主になる具材によって名前が変わります。いくつかご紹介しましょう。
- ゴーヤーチャンプルー
ゴーヤーはビタミンとカリウムを豊富に含んでいて、食欲増進効果があるので、夏にぴったりな食材と言えます。ポーク(ランチョンミート)、もやし、島豆腐、と一緒に炒めて卵を流し入れます。苦いのが苦手な方は、ワタをしっかりとること、塩水につけると苦みが和らぎます。食堂や居酒屋、お弁当屋さん、コンビニやスーパーでも売っています。
- マーミナーチャンプルー
-
マーミナーとは、もやしのことです。沖縄県民はもやし好きが多いようで、スーパーでもいつも1kg入りのもやしが売っています。もやしとにんじん、島豆腐とポーク(ランチョンミート)と一緒に炒めます。
- フーチャンプルー
本土では麩はお吸い物に使うくらいで、脇役的なポジションですが、沖縄では麩をメインの食材として炒めものにして食べます。保存も効くし、油との相性もいいので理にかなっているのですね。
スーパーでは筒形になった車麩がたくさん売っていて、しかも安いです。麩、にんじん、チキナー(からし菜)などと一緒に炒めます。島豆腐を使っているお店と使っていないお店がありますが、どちらもフーチャンプルーと呼ばれています。食堂、居酒屋、お弁当屋さんにもあります。
- とうふチャンプルー
島豆腐をメインに、野菜を加えて炒めます。野菜に決まりはなく、キャベツ、にんじん、ニラ、チキナーをポークなどと一緒に炒めます。ポークもランチョンミートと決まっておらず、お店によって豚肉だったりツナだったりします。食堂などで食べられます。
- タマナーチャンプルー
-
タマナーとはキャベツのことです。こちらもキャベツを中心ににんじん、ニラ、豚肉、島豆腐などと一緒に炒めます。食堂にあったり、学校の給食にも出ます。
イリチー
イリチーとは炒り付けの意味です。
- クーブイリチー
-
イリチーで有名なのは「クーブイリチー」ではないでしょうか。昆布の採れない沖縄県ですが、昆布の消費量は多く、スーパーにもたくさん並んでいます。
沖縄と昆布は北前船で北海道から運ばれてきたとか、富山の薬売りが広めたなどと言われていて、歴史のある食材です。出汁を取るのにも使われますが、昆布を細切りにして、豚肉やにんじん、油揚げなどと炒めた「クーブイリチー」として食べる方が多いように思います。スーパーの総菜コーナーでよく見かけます。
- パパイヤイリチー
-
沖縄では青パパイヤを野菜として食べることもあります。パパイヤを千切りにして、にんじんや豚肉などと炒めたパパイヤイリチーにして食べることが多いです。食堂やカフェの小鉢についてきたり、スーパーなどにもあります。
ソーミンチャンプルーはチャンプルーじゃない?
ソーミンとは素麺です。素麺とニラやにんじん、もやし、ネギなどと一緒に油で炒めます。シンプルですが、茹でた素麺だけだと具材がなくて寂しいですが、ソーミンチャンプルーなら、野菜も採れるし、温かい食べ物なのでホッとします。
肉類も島豆腐も使っていませんので、本来なら「ソーミンタシヤー」と呼ぶべきですが、ソーミンチャンプルーでもソーミンタシヤーでも、どちらも使われています。ソーミンイリチーとは言わないようです。なぜでしょう?
居酒屋にもありましたが、先日コンビニでも見つけて驚きました。家庭でもカンタンに作れます。ソーメンが中途半端に残ってしまった時や麺つゆに飽きてしまった時などにもいいですね。
混ぜ合わせるが語源のチャンプルーなので、お好きな食材を混ぜて家庭で作ってみてもいいし、いろんなお店で食べ比べてみるのも楽しいですね。