沖縄のユタってどんな存在?歴史は?種類は?なり方は?

沖縄社会には神様に使える女性として「ユタ」という人たちがいます。沖縄県民であればだれでも知っているユタですがその実態はベールに包まれています。そこで今回はユタの歴史や種類、なり方などを紹介します。

ユタ

ユタってどんな存在なの?

ユタは「この世の人では見えない存在と交流することが出来る人」です。「ユタ=占い師」という人もいますが、正しくは違います。ユタは「見えない存在と交流できる人」というよりは「超自然的な存在と交流できる人」のことを言います。

超自然的な存在といえば「神様」がいます。もちろんユタは一般的に考えられている「神様」とも交流できます。でも沖縄の神様には2種類あります。

日本全国に伝わる神様が「八百万の神」といわれているのと同じように、ユタが交流できる神様の種類も様々です。自然界にいる神様もその一つですし、沖縄には「琉球の神様」というものもあります。

たとえば琉球最高の精霊といわれる「キンマモン」や海の神様である「竜宮神」は、琉球の神様の代表的なものです。ただユタが語る神様は「天帝」と呼ばれており、ユタによってその存在はそれぞれ違います。

そもそも天帝とは「天上の最高神」のことを意味していて、ユタはそれぞれが「天帝」と考える神様とだけ契約を結びます。そして契約を交わした天帝のメッセージを伝えるのがユタです。

さらに沖縄では先祖神もいます。先祖神というのはその名も通り「ご先祖様の神様」のことです。亡くなってからの時間が長いご先祖様ほど位が高いといわれていますが、こうした先祖神からのメッセージを人々に伝えることが出来るのもユタなのです。

ユタの歴史とは?

祈り

ユタがどのようにして生まれたのかということについては諸説あり、どれが正しいとも言えません。

例えば公的な祭祀を司る琉球の女性神官・ノロから分化したという「ノロ分化説」や、ニーヤ(集落の始まりといわれる一族)出身の女性神官から分化したという「根神分化説」もあります。そのほかにもクディ(門中)の先祖神に仕える女性神官から分化した「クディ分化説」などもあります。

いずれにしてもノロや根神、クディに仕える女性神官は公的な祭祀を司る存在ではありましたが、時には個人的な祈願や超自然現象に対する人々の悩みにも対応してきました。それが時代とともに個人的なお願いごとを専門とする人が増えていき、それがユタとして確立してきた背景だといいます。

男性の場合は「トキ」という

基本的に琉球の神様に仕える神官は女性が務めていました。ただ男性でもユタと同じように神様に仕える人がいます。このような人を「トキ」といいます。圧倒的にユタの方が数は多いのですが、琉球の歴史の中ではトキの存在も確認できます。

ユタの種類は?

神様との交流が出来る人のことを沖縄ではザックリと「ユタ」といいますが、実際のユタの世界は専門分野によってかなり細かく分かれています。主だったものだけでも5つに分かれます。

ウタキバン

ユタの中でも霊力が高いといわれています。沖縄にはウタキと呼ばれる聖地がありますが、このウタキを通して神様が伝えてくる要求を人々に伝える役割を持っています。神様の要求は主に供養に関することだといいますが、人々がその要求を叶えると神さまは満足して人々の願いを聞いてくれるのだといいます。

リューグバン

リューグバンもウタキバンと同じくらいユタの中では霊力が高いです。リューグとは「竜宮」のことで、水の精霊だけでなく水の事故で亡くなった死者との霊と交流することが出来ます。

グァンスバン

先祖霊との交信することが出来ます。先祖霊といっても亡くなってからの年数によって「ウサチユー(上代)」「ナカヌユー(中代)」「イマヌユー」の3つに分かれています。交信できる先祖神が古い神様であればあるほど霊力が必要になるといわれていて、中には数百年前の先祖霊とも交信することが出来るユタもいます。もちろんこうしたユタはグァンスバンの中でも高く評価されます。

ミーグソーバン

ユタの中では最も霊力が低いといわれています。亡くなってから間もない死者の霊との交信が出来ます。ちなみにユタの中でもミーグソーバンの数は多く、その数を正しく把握することは不可能だといわれています。

ユタにはどうやってなるの?

ユタは修行を行うことによってなることが出来るといいます。ただしその修業は秘密とされていて、どのような修行をするのかはわかりません。

ただ修行を終えても、すぐにユタになるということではありません。修行を終えると神様からチョウブ(帳簿)と呼ばれるユタの免許証のようなものが渡されます。ここでの神様はユタの守護神といわれていて、守護神によって何を専門とするのかが決まります。基本的にはこれがユタのなり方です。

ただユタになった後も修行を続けると霊力が上がることがあります。これを「チヂアガイ」といいます。チヂアガイすると扱うことが出来る専門領域が上がります。つまりユタとしての評価が上がるというわけです。

ユタの世界は奥が深い

沖縄の街中を歩いていると、街の中の何でもないような場所で一生懸命神様にお祈りをする女性たちの姿を見かけます。沖縄ではこうした女性たちの姿は日常生活の一部。でもユタの世界の入口をのぞいてみると、私たちが想像している以上にその世界が深いことが分かります。

「神様と祈りの地」といわれ数多くのパワースポットが存在する沖縄。そんな沖縄だからこそ、今なお神様とともに暮らすユタが存在するのかもしれませんね。