沖縄に伝わるちょっと怖い言い伝え

日頃から何かと神さまとの付き合いが深い沖縄。そんな沖縄の言い伝えの中には、ちょっと怖い話もたくさんあります。今回は沖縄に伝わるちょっと怖い言い伝えを集めてみました。

ガラサーが鳴くと人が死ぬ

カラス

ガラサーとは、沖縄の方言で「カラス」のことを言います。カラスは全国的にも不吉な出来事の予兆を知らせる鳥と言われていますが、沖縄では都心部ではほとんど見かけることがないため、急にカラスの姿を見るとそれだけでも不吉な予感がします。

ちなみに「ガラサーが鳴くと人が死ぬ」という言い伝えは、今でも年配の沖縄県民の間でよく聞く話です。特に夜中にカラスが鳴くとかなり不吉だといわれています。

盆に墓の扉を開けるとご先祖様に頭をたたき割られる

沖縄では同じ血縁関係のある共同体「門中」が共有する「門中墓」があります。門中墓には同じ一族のご先祖様が全て納められていて、古いご先祖様から上座に納められていきます。ところがあまりにも大きなお墓ですので、新入りのご先祖様は「門番」として墓の入り口で他のご先祖様を守らなければいけません。

そんなご先祖様が年に一度楽しみにしているのが、家に帰って子孫たちに盛大にもてなしてもらえるお盆です。盆には門中墓のご先祖様も一斉に家に帰ってしまうのですが、墓の番をしなければいけない門番役のご先祖様は、家に帰ることが出来ません。

「せっかくご馳走を食べさせてもらえる日なのに、墓の番をしなければならないなんて…」といっているのかいないのかはわかりませんが、とにかく1人で墓の番をしなければならないご先祖様はイライラしっぱなしです。

そんな時に不用意に墓の入口を開けると、怒った門番役のご先祖様に頭をたたき割られてしまうそうです。そのためどうしても盆に墓の入口を開けなければならない時は、頭をたたき割られないように金属製の洗面器をかぶって墓に入ったという言い伝えがあります。

赤ちゃんがくしゃみをしたらおまじないをしないと魂が抜けていく

沖縄では生きている人の体の中にあるマブイ(魂)は、ちょっとしたことですぐに体から離れて行ってしまうと考えられています。誰もがビックリするような出来事にあってしまった時はもちろんなのですが、人にぶつかったり道路で転んでしまっただけでもマブイを落としてしまうことがあります。

大人になってからでもマブイは時々体から飛んでいってしまうことがあるのですが、マブイとの付き合いが長くなるほど体に定着していくため、年齢を重ねるごとにマブイが離れていく回数も減っていきます。

ところが生まれたばかりの赤ちゃんは、本当にちょっとしたことでもマブイが口から飛び出てしまいます。そのため赤ちゃんの場合はくしゃみをしただけでも、マブイが体から飛び出してしまいます。

そこで沖縄では、赤ちゃんがくしゃみをしたらそばにいる女性が「クスケー」とおまじないをして、飛び出しそうになっているマブイを赤ちゃんの体に戻さなければいけません。この言い伝えを知らない若いお母さんでも、赤ちゃんがくしゃみをすると「クスケー クスケー」といっている姿を見かけることがあります。

夜中にマジムンに襲われたら鶏の鳴き真似をしないとマブイを取られる

沖縄ではいろいろなところに、様々な姿をしたマジムン(魔物)がいるといわれています。マジムンは人に悪さをするだけでなく、悪質な場合は生きている人の魂(マブイ)を奪っていくこともあります。特に夜中に家にやってくるマジムンには要注意です。

夜中に家にやってくるマジムンの中には、魂を奪ってあの世に連れて行こうとするマジムンがいます。かなり強力なマジムンで、人間がいくら知恵を絞って逃げようとしてもしつこく追いかけてマブイを奪おうとします。

こんな時は、鶏の鳴きまねをします。鶏の鳴き声は、夜明けを知らせる合図です。夜中にしか動くことが出来ないマジムンは、明け方になるとあの世の世界に戻っていかなければいけません。そのため夜にマブイを取りにやってきたマジムンは、鶏の鳴きまねをすれば撃退できます。

ただし沖縄では、鶏の鳴き真似は「コケコッコー」ではなく「ケッケレーケ」といいます。気が動転して「コケコッコー」と叫んだら、「こいつは偽物の鶏だな」とバレてしまうかもしれませんのでご注意を!