沖縄にはお正月が3回ある?

ほとんどの方はお正月気分は抜けたと思います。でも、沖縄にはお正月が3回あるって知っていましたか?1月1日、旧正月、十六日祭です。それぞれのお正月について紹介しましょう。

新暦の1月1日

お正月

ほとんどの沖縄県民も新暦の1月1日のお正月をお祝いします。大晦日は「沖縄そば」の年越しそばを食べて、年が明けると初詣に行きます。おせち料理はなく、重箱料理やお祝いの時に食べられる中身汁、いなむどぅちや田芋料理などを食べます。親戚などが集まる家ではてんぷらや肉団子、揚げ物などが盛り合されたオードブルを食べます。年賀状を交換したり、子供にお年玉をあげるのは本土と同じです。

新暦と旧暦

普段、使われている暦は地球が太陽の周りを回る周期をもとにして作られた「太陽暦」です。地球が太陽を一周するのは約365.25で、一年を365日としている暦とズレが生じます。そこで4年ごとにうるう年を設けることで季節と暦にズレが生じるのを出来るだけ小さくなるように作られています。

一方、「太陰暦」は1か月を月が満ち欠けする周期に合わせて作られています。月が地球を回る周期は約29.5日で、一年だと354.36日となり、実際の季節と暦がズレて行っていまいます。そこで約3年に一度うるう月を入れたり、中国から伝わった「二十四節気」を取り入れたりしました。これが「太陰太陽暦」で「旧暦」と呼ばれるものです。日本でも明治時代に太陽暦に改められるまで使われていました。

沖縄では、ご先祖様に関する行事や地域に伝わるお祭りのほとんどは旧暦で行われています。この習慣は沖縄が農耕社会であった頃に形成されました。種まきや収穫などの農作業のタイミングをはかるためのものです。

沖縄は台風などの自然が厳しいため、神々に祈ることが重要になります。琉球王府は旧暦を取り入れて行事の日にちを選ぶようなったので、地域のお祭りは旧暦に基づいて行われるようになり、今でもその習慣が残っているのです。新暦も旧暦も沖縄にはなくてはならないものなので、沖縄で売っているカレンダーには旧暦が書かれています。

旧正月

現在の沖縄でも新正月が主流です。地域や家庭によっては、新正月と旧正月の両方をお祝いするところもあります。新正月ほどではないものの、お供えの飾りや正月料理の食材などがスーパーに並びます。元旦の朝、若水を汲んで仏壇や家の守り神であるヒヌカン(火の神)にお供えして、新たな一年の平和と健康を祈ることから始まります。

糸満市など漁業の盛んな地域では旧正月の伝統が色濃く残っていて、旧正月の早朝、漁港では大漁旗がなびき、家庭ではご馳走が振舞われます。旧暦なので毎年日にちが異なり、2018年は2月16日です。

中国でも旧正月を祝う風習があり、お休みを利用して沖縄を訪れる人も多く、観光スポットは普段以上に中国からの観光客が多くなります。

十六日祭

旧暦の1月16日にあたる「十六日祭(ジュウルクニチー)」はあの世(グソー)のお正月です。

沖縄本島北部や八重山・宮古などの先島で盛んに行われていて、多くの人が里帰りします。親戚一同がお墓に集まり、重箱料理やお菓子、果物をお供えして、線香をたいて、ウチカビを燃やします。離島出身で沖縄本島に住んでいる人は、三重城で出身の島の方向に向かって、お供え物をして、祈りを捧げます。

また、亡くなって一年以内の人がいる家庭の場合は、新暦の正月や旧暦の正月はひかえめにして、十六日祭の時にお墓参りすることもあります。2018年の十六日祭は3月3日です。

それぞれに言われや意味がある大切な行事と言えます。今では重箱料理を全て手作りする家庭は少なくなったようですが、重箱料理やオードブルは購入しても、中身汁やてんぷらは手作りであったり、多少カタチは変わっても行事を大切にする心は変わっていないと思います。沖縄に来て驚くことも多いですが、「郷に入っては郷に従え」ですね。