ボクシング愛の強い沖縄が生んだ世界チャンピオンたち

日本人世界チャンピオンを最も多く輩出している沖縄県。それだけに、沖縄県民のボクシング愛はとても深い!かつてボクシング王国といわれた背景や歴代のチャンピオン、さらに今後が期待される選手をピックアップ!

沖縄のボクシングが強い理由はどこにある?

ボクシング

プロであれば、全国的に見ると関西や関東のレベルが頭一つ抜き出ている印象があるボクシング。ところが、日本人の歴代世界チャンピオンを見てみると、圧倒的に沖縄出身者が多いことに気が付きます。なぜ沖縄のボクシングは、世界に通用するのか?その謎に迫ってみます。

かつて沖縄は「ボクシング王国」と呼ばれていた

なぜ沖縄のボクシングが強いのかという謎のヒントになるキーワードが、かつて沖縄が呼ばれていた「ボクシング王国」という言葉です。そんな沖縄では、1970年代後半から、世界王座防衛を13回成功させた具志堅洋三さんをはじめ、浜田剛史さん、平中明信さん、渡嘉敷勝男さん、仲里繁さん、上原康恒さんなど、次々と世界チャンピオンを生んできました。

もちろん、プロを目指す若者たちにとって、こうした県出身の世界チャンピオンの存在は大きかったはずです。それだけに、この時代には、未来のチャンピオンを目指す多くの若者たちがボクシングに打ち込み、高校総体や国体では、華々しい成績を沖縄県勢にもたらしました。この時代は、まさに沖縄ボクシングの全盛期であり、県内外からも「ボクシング王国」と呼ばれるようになりました。

沖縄の選手は「負けてたまるか」という根性が凄い

沖縄県内には、数多くの離島があります。最も大きな島は沖縄本島ですが、最北端の伊平屋島、最南端の波照間島、最東端の北大東島、最西端の与那国島を含む多くの離島で構成されています。島によっては空港がなく、船でなければ移動が出来ない島もあり、一流アスリートを目指すには、決して恵まれた環境とは言えません。これだけを見ても、離島であるが故のハンディが、沖縄にあるということがわかります。

それでも、世界チャンピオンを数多く生み出した沖縄。チャンピオンたちに共通しているのは、こうした離島ならではのハンディに負けない強い精神力です。2017年に25年ぶりの県出身世界チャンピオンとなった比嘉大吾選手も、歴代の県出身チャンピオンらが持つこの共通点がみられます。

比嘉大吾選手の出身は沖縄本島にある浦添市。その後比嘉選手は、父親の仕事の関係で宮古島に移住しました。中学卒業後は、地元の宮古工業高校に入学し、そこでボクシングを始めました。沖縄の離島の中では比較的大きな島である宮古島ですが、それでも、本島や本土と比べれば、練習環境にはハンディがあります。ところが、この離島ならではのハンディに対して、比嘉選手は、地元の人々の間で長く受け継がれてきた「アララガマ魂(負けてたまるか根性)」で乗り越えたといいます。

それは、王者となった2017年の試合を見ても、感じるものがあります。「たとえ離島であっても、努力を続けていれば、その努力は決して未来を裏切ったりしない」。そんな彼の強い信念が伝わってくる試合に、多くの県民が感動したに違いありません。

世界を知る男たちが育てる!平仲ボクシングスクールジム

かつて「ボクシング王国」を作り上げてきた男たちが、「ボクシング王国復活」をかけて立ち上げたボクシングジムが、沖縄にはあります。それが、元世界Jrウェルター級チャンピオンの平仲信明氏が主催する「平仲ボクシングスクールジム」です。

そもそも平仲信明さんってどれくらい凄いの?

平仲ボクシングスクールジムを主催する平仲信明さんは、元WBA世界ジュニアウェルター級チャンピオンです。沖縄本島南部の具志頭村(現在の八重瀬町)出身で、一時期は、「平仲伸章」のリングネームを使っていたこともあります。

自らの力で世界挑戦を実現させた非常に珍しいボクサーだった

そもそも1回の開催で莫大な興行収益が見込める世界戦のリングでは、出場交渉を行うだけでも、テレビや大手ジムなど大きな後ろ盾が必要といわれています。ところが平仲さんは、こうしたバックを使わず、個人の力だけで世界戦への交渉を行い、実績を積み上げて世界戦挑戦の実現にこぎつけた、プロの中でも非常に珍しいタイプのボクサーでした。

ボクシングを始めたのは高校生になってからだった

幼いころからボクシングを続けていたのかと思いきや、実は、平仲さんのボクシング人生は、高校2年生の終わりごろに始まったといいます。ところが、初めて数カ月後には、同じく沖縄県代表だった新垣諭さん(元IBF世界バンタム級王者)とともにインターハイで優勝しています。

高校卒業後は、日本大学農獣医学部に入学。在学中の1984年ロサンゼルスオリンピックでは、ボクシングウェルター級に出場しています。

プロボクシング戦績が凄い

世界で勝つ術を知る平仲信明さんのプロ時代の戦績が、これまた凄い!なんとそう試合数22試合のうち、20勝2敗。さらに20勝のうちの18勝は、どれもKO勝利。これだけの対戦成績を誇る平仲さんだからこそ、世界に通用するプロボクサーを育てたいという気持ちが強いのかもしれません。

現在所属している選手たち

平仲ボクシングスクールジムには、現在A級ボクサー2名、C級ボクサー7名、女子ボクサー1名が所属しています。

A級ボクサー

ライトフライ級の荻堂盛太(おぎどう・せいた)選手と、スーパーフェザー級の小谷将寿(こたに・まさとし)選手がいます。

現在のところ、荻堂盛太選手の対戦成績は、17戦11勝(3KO)3敗3分、小谷将寿選手の対戦成績は、24戦22勝(15KO)2敗0分となっています。

C級ボクサー

ライトフライ級の仲村渠卓也(なかんだかり・たくや)選手、ミニマム級の仲島辰郎(なかしま・たくろう)選手、スーパーライト級のスミス・マーカス選手、スーパーフェザー級の照屋雄太(てるや・ゆうた)選手、ライト級の二熊亮成(にぐま・りょうせい)選手、ライト級の加藤恭平(かとう・きょうへい)選手、ウェルター級の城間靖(しろま・やすし)選手の7名がいます。

現在のところ、各選手の対戦成績は次のようになっています。

村渠卓也選手
7銭3勝(1KO)3敗1分
仲島辰郎
6戦6勝(4KO)0敗0分
スミス・マーカス選手
3戦3勝(3KO)0敗0分
照屋雄太選手
7戦2勝(1KO)4敗1分
二熊亮成選手
2戦0勝1敗1分
城間靖選手
1戦0勝1敗0分

女子ボクサー

現在注目の女子ボクサー・平安山裕子(へんざん・ゆうこ)選手もいます。スーパーバンタム級で戦っている平安山裕子選手の現在までの対戦成績は、14戦5勝(2KO)6敗3分です。