なぜ沖縄は多くのプロゴルファーが誕生するのか?

世界で活躍するプロゴルファーを、数多く輩出する沖縄。なぜ世界レベルのプロゴルファーがこれだけ多く誕生するのかという点も気になります。そこで、選手に注目しながら沖縄のゴルフ事情を探ってみます。

ジュニア育成に力を入れている沖縄のゴルフ界

ゴルフ

ゴルフは、何しろお金がかかるスポーツ。サラリーマンの平均年収が全国ワースト1位という不名誉な記録を持っている沖縄なのに、ただでさえお金のかかるスポーツであるゴルフが強いという点は、ちょっとした疑問も感じます。

でも、沖縄のゴルフ愛は、ただものではない!世界に通用するプロゴルファーを育てるためのサポートが、実はとっても充実しているのです。

プロを目指すジュニアからお金は取らない

プロゴルファーを目指すなら、専用のゴルフレンジでの練習が欠かせません。でも、毎日ゴルフレンジを利用するには、経済的に大きな負担となります。ところが、沖縄はここが違います!

実は沖縄では、プロを目指すジュニアゴルファーから、基本的にゴルフレンジでの利用料金を徴収しません。これは、経済面を理由に練習が出来ないということを回避させる、最大のサポートです。

もちろん、無条件でタダになるというわけではありません。料金を払わずにプレイが出来る代わりに、ジュニアたちは、ボール拾いなどの雑用を手伝うボランティアを行うことが条件にあります。それでも、お金の心配をせずに無料で練習が出来ることを考えれば、十分すぎる援助です。

ゴルフコースもジュニアは低料金でプレイできる

プロを目指すためには、コースでの練習も必要になります。これは、ゴルフレンジよりもお金がかかるため、練習に打ち込みたいという気持ちが強くなるほど、経済的な負担は大きくなります。もちろん、ゴルフ愛にあふれた沖縄では、ここにもジュニアのためのサポートがあります。

沖縄では、プロを目指すジュニアであれば、特別に設定された低料金のジュニア価格でコースを利用することが出来ます。もちろん、この低料金のサポートを利用するには、条件があります。広いコース内でもカートの使用は禁止となっており、さらにバッグは自分で担ぎ、歩きで回るのが条件です。

このように、沖縄ゴルフ界のジュニアに対するサポートは、「ギブ&テイク」が基本。ジュニアのうちから、支援を受けるだけではなく、自分にできることで社会に貢献することの大切さを学ばせるこの育成方針は、ゴルフだけでなく子育て全般に通じるものがあります。

世界に通用するプロを育てた沖縄の名物ゴルフ場

一年を通してプレイが出来る沖縄は、全国各地からたくさんのゴルファーが集まることでも有名です。そんなゴルファーたちを魅了する名物ゴルフ場があることも、世界に通用するプロが沖縄から多く誕生する背景にあります。

そこで、ゴルフファンなら一度は挑戦してもらいたい、沖縄の名物ゴルフ場をまとめてみました。

宮里三きょうだいも通った!「ベルビーチゴルフクラブ」

沖縄本島北部にある東村出身の宮里三きょうだいも通った、北部を代表するリゾートゴルフ場が、「ベルビーチゴルフクラブ」です。美ら海水族館がある本部町にあるコースで、どのコースからでも美しい海を見ることが出来るベルビーチゴルフクラブ。

コース幅は平均的なのですが、どのコースも、打ち下ろしや打ち上げなどが多いため、難易度的にはやや高めです。さらに、山の中にある上に、すぐそばに海があるため、ゴルフ場周辺の天気がころころと変わるという点も、難易度が上がります。ちなみにこのゴルフクラブには、宮里三きょうだいの頼れる兄貴・宮里聖志プロが所属しています。

超有名な断崖絶壁越えがある「ザ・サザンリンクスゴルフクラブ」

本島南部にあるザ・サザンリンクスゴルフクラブには、県内でトップクラスに挙げられている「リンクスコース」があります。リンクスコースの7番、8番ホールは、このコースの名物の断崖絶壁越えがあります。何しろ、常に強い海風が吹く中で海に向かって打ち込まなければならないため、アグレッシブなプレイが求められます。それだけに、ここでなければ体験できないスリリングなプレイ目当てのリピーターが続出中です。

地元が認める難易度の高いコース「オーシャンキャッスルカントリークラブ」

オーシャンキャッスルカントリークラブは、日本全国でゴルフ場を運営しているオリックス・ゴルフ・マネジメントのゴルフ場です。このゴルフ場は、地元ゴルファーが口をそろえて「難しい」というほど、コースの難易度が高いことで有名です。

コースでは、常に強い風が吹いているにもかかわらず、幅が割と狭いので、ボールをコントロールするのがとても難しい…。「ここで良いスコアが出せるなら本物の実力者」と地元ゴルファーの間で噂になっています。

沖縄出身のプロゴルファーたち

2017年に引退を発表した宮里藍選手以外にも、沖縄出身のプロゴルファーはたくさんいます。

宮里優作 (みやざと・ゆうさく)

1980年生まれの宮里優作さんは、宮里三兄弟の真ん中。兄は宮里聖志さん、妹は宮里藍さん、父はレッスンプロの宮里優さんと、まさにゴルフ一家です。プロ宣言をしたのは、東北福祉大学在学中の2002年。その翌年の4月に行われた東建ホームメイトカップで、プロデビューを果たしました。

ジュニアの頃から注目される選手だった宮里優作さんは、大阪桐蔭高校在学中に「日本ジュニアゴルフ選手権競技」で優勝するほか、東北福祉大学在学中は、「日本学生ゴルフ選手権競技」で3連覇を果たしています。

2017年は、「中日クラウンズ」優勝、「日本プロゴルフ選手権大会」優勝、「HONMA TOURWORLD」優勝と勢いに乗っているだけに、今後の活躍が期待されます。

宮里聖志(みやざと・きよし)

弟に宮里優作さん、妹に宮里藍さんを持つ宮里三兄弟の長男が、宮里聖志さんです。3歳からレッスンプロである父の指導を受けゴルフを始めた宮里聖志さんは、近畿大学を中退し、1999年にプロテストに合格。翌年の2000年12月の「ファンケル沖縄オープン」でツアーデビューを果たします。

2003年2月には、プロデビュー3シーズン以内の選手の中から選ばれる「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、2004年の「アジア・ジャパン沖縄オープンゴルフトーナメント」で初優勝を果たしました。

諸見里しのぶ(もろみざと・しのぶ)

1986年生まれで名護市出身の諸見里しのぶさんは、ジュニア時代から数々の大会で優勝し、「第二の宮里藍」として非常に注目を集めた選手です。2000年の「日本ジュニアゴルフ選手権競技」女子12~14歳の部での優勝をはじめ、2001年の全国中学校ゴルフ選手権、2002年の中国女子アマチュアゴルフ選手権、2003年の中国ジュニアゴルフ選手権女子15~17歳の部、2004年の全国高等学校ゴルフ選手権春季大会などは、すべて優勝で飾っています。

プロテストには2005年7月に合格し、プロデビュー戦となった日本女子オープンでは、5位入賞を果たすなど、プロ転向後も活躍を見せる諸見里しのぶさん。飛躍の年となった2009年には、5月「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」優勝、8月「CATレディースゴルフトーナメント」優勝を果たし、23歳ながら生涯獲得賞金3億円を突破します。

宮里美香(みやざと・みか)

1989年生まれで那覇市出身の宮里美香さんも、ジュニア時代から注目が高い選手です。11歳の時には沖縄県民ジュニアゴルフ選手権を初優勝、その後も、2002年と2003年には、同大会で2連覇を達成しています。世間を驚かせたのは、2004年に出場したダイキンオーキッド。初参加ながら、いきなり8位入賞を果たした宮里美香さんは、プロの世界でも一気に注目を集めます。同年6月に行われた日本女子アマ選手権では、14歳8カ月の日本最年少記録で優勝しました。

興南高校在学中にも、日本国内で行われたプロトーナメントで好成績を残し、卒業後の2008年に渡米し、活躍の場を世界にも広げました。

上原彩子(うえはら・あやこ)

1983年生まれで那覇市出身の上原彩子さんは、女子トライアスロンのトップ選手を姉に持つスポーツ万能姉妹の一人。12歳から始めたゴルフですが、1998年に行われた「日本ジュニアゴルフ選手権競技」女子12~14歳の部で優勝。さらに、2004年に受けたプロテストではトップの成績で合格しています。

プロ転向後、しばらくは予選落ちで終わることも多かった上原彩子さんですが、2005年の「カトキチクィーンズ」での単独2位、ア「ピタ・サークルK・サンクスレディス」で6位タイなどの上位入賞をきっかけに、本来の実力が発揮できるようになりました。

ゴルフを始めたのが比較的遅い上原彩子さんですが、小学校時代は、なんとサッカーチームに所属。チームメイトには、元日本代表にもなった我那覇和樹さんがいます。